水無月のつれづれ日記

アラサーOLの関心ごと

いい女とは 幸せとは?東京タラレバ娘 9巻感想

ネタバレあります。
ご注意下さい。





さっき読み終わったばっかりでまだ頭の整理がついていないんですがせっかくなので今のうちに感想を。

泣いた。
泣いたことに自分でびっくりしたけど響いてしまったんだから仕方ない。
元々東村アキコ先生の「海月姫」が好きで、なんとなく読み始めた東京タラレバ娘。三十代の女子?達が恋に仕事に七転八倒するお話ですが、主人公達が水無月と同年代ということもあって途中の展開がいたたまれず一度読まなくなった時期もあったんです。二股とか不倫とかもうお腹いっぱいだったので。
でも9巻を読んで思った。途中で脱落しなくてよかった。

個人的に一番ぐっと来たシーンは
もしも初めて出会ったとき女子会でみっともなく飲んだくれいるんじゃなくて、カウンターで静かにお酒を飲んでいたら・・・違う出会い方だったら私のことを好きになってくれたかという倫子の問いに「なったね」と答えるKEY君。
それに対して「でも 私 そんなもののために自分を変えようとは思わない」っていう倫子が最高にかっこいい。
いい年して女子会で騒いでても、自分の気持ちに正直になれなくてもこの人は自分の力でちゃんと生きてきた人なんだなと思って。
それと空に向かっての独白。誰かを幸せにしたいと思う気持ちが愛だっていうレトリックは正直もう使い古された感がある。でもそれを白昼堂々空に向かって(正確には自分の妄想の産物に向かって)33歳の女性が大声で叫ぶっていうのはなんか魂の叫びって感じで気持ちいいよね!
私は不器用だけど一生懸命に生きている人が好きで、今回の倫子はまさにそれでした。

まぁどうしたら倫子とKEY君が恋愛できるのか、ってなったときに一緒に酒飲んでくだ巻いて現実から逃げればいいってのはちょっと違うなと思ったけど。
最後は二人が前を向いてくれてよかったです。

それにしてもマミちゃんまじデキ女。こそっと監督にカメラ回しましょって言うとことか凄すぎ。アホっぽく見えて気が利いて、さらっと本質を掴む女。どんな育ち方したらこんな風になれるんだと思うけど多分こういう子は天性で持ってる。
かっこいい女とは、の問いに対する答えが「仕事が出来る女、男に振り回されない女」ってのも素晴らしい。
最後タラレバ女子会に合流してたのがちょっと心配だけど、マミちゃんならきっと大丈夫だな。
あと帰りの車でおにぎり頬張る香が可愛すぎた。いいキャラしてるわ。
倫子、香、小雪の3人が最後までお互いの幸せを願っているのがよかったです。いくつになっても友達は大事で女子会は楽しい。でもそれだけじゃダメだよってことですかね。

適齢期になった女同士って微妙なマウンティングをしあってめんどくさかったりするけどそれが描かれないのは良かったです。

あなたが不幸なのは別に私が幸せだからじゃないし、私が不幸になったからってあなたが幸せになれる訳じゃない。ほんのちょっとの優越感を得るために時間やエネルギーを使うのはバカバカしいことです。
誰かが憎くて仕方がないほど妬ましく感じてしまう人は早起きして神社とか行くといいですよ。そのあと美味しいものでも食べて帰ったらちょっとすっきりして視野広がるので。そんな時はSNSは一旦お休みしましょうね。あれは無意識に人と自分を比較させる恐ろしい道具です。

話逸れました。前を向いて歩き始めた倫子たちに負けないようにかっこいい女になってやる、自分の力で幸せになってやると思わせてくれる作品でした。
本当に読んで良かった!